ノーハウハウ

調べて役立ったことをざっくりまとめ

AKAIのMIDIパッド「MPD218」のチャタリングについて

ちょっと前にセールで「Melodics」の1年契約プランが半額になっていたので課金。

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※Melodicsは、フィンガードラム、ドラム(V-Drumなど)、キーボードを練習できる練習アプリのこと。

しばらくフィンガードラムを練習していたら、楽しくなってきたのでちゃんとしたパッドコントローラーが欲しくなってきた。そこで、MIDIパッドコントローラーとして定番らしいAKAIの「MPD218」を購入。

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このパッド、1万円前後のMIDIパッドコントローラーとしてはよくできているという評判なのだけど、チャタリング(1回パッドを叩くと2回以上連続で反応してしまう症状)※が発生しやすいなどの悪い評価も結構目にする。

※海外だと「double triggering」と呼ばれる症状。

実際私も購入後2日間ほど使ってみたのだが、噂通りチャタリングが発生しまくり。もちろん個体差の問題があるとは思うが(そもそもこの機種はパッドの反応に個体差がかなりあるらしい)、私の購入したMPD218はフィンガードラム用のパッドとしてはあまり快適に楽しめない感じであった。

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Melodicsでの例だと上のような感じ。赤い丸がチャタリングで誤入力された部分。普通にスネアのパッドを1回叩いているのに、2回連続入力されてミス扱いにされている。Melodicsでは、1曲1分もない短い曲なのだが、チャタリングなしですべて入力できることのほうが珍しい、といった頻度で起こる。

DAW上でドラムのリアルタイム打ち込みをしようと思っても、同じようにこういった症状が出る。録音後にいちいちノート情報を修正する手間を考えると非常に使いづらい。正直、安いMIDIキーボードでリアルタイム入力したほうがはるかに快適だ。

なお、チャタリングは、パッドを叩くたびに毎度発生するわけではない。パッドを叩いた瞬間にすぐ指を離すような叩き方だと出にくく、パッドを軽く押さえつけるような叩き方だと出やすく感じた。また、基本的に全部のパッドでこの症状が発生する。

これはもう最初からこういう仕様なのだろう。よく言えばパッドの感度が敏感にできているとも言えるのかもしれない。

そもそも、短いタイミングでの連続入力を無視できるような設定ができれば良かったのだが、そういった機能は搭載されていない(ちなみに、V-Drumにはある)。

DAWによっては、MIDIエフェクト機能で一定以下のベロシティを無視するような設定を行うことで対処できるかもしれない(以下はAbleton LIVEでの設定例)。

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また、「TransMIDIfier」や「loopMIDI」といった外部ソフトを組み合わせれば、DAWなしでも同じようなことができる(下図)。TransMIDIfierで一定以下のベロシティのノートを無視する処理をしてloopMIDIで作成したバーチャルMIDIポートに出力するという流れだ。

f:id:OtotoMaru:20180619002033p:plainただし、MelodicsはバーチャルMIDIポートの入力を受け付けないっぽいので、この方法では対処不可能な模様。

MPD218のパッド自体はしっかりしていて、ベロシティ&アフタータッチにも対応している。つまみもある程度の重さがあって使いやすい。物理的な部分では、かなりよくできている製品だと感じた。ただ、肝心のパッド入力の信頼性が低いため、今のところ買わなければよかったかも……と少し後悔しているのが正直なところだ。

 

■追記

毎日Melodicsをやっているが、やはりMPD218のチャタリングはストレス。チャタリングが発生するとミス判定が増えるし、リズムも狂いやすくなり、曲のやり直しが増える。チャタリングしないように叩かないと……と余計なことに気を使うので良くない気がした。

結局、その前に使っていたMachine Jamに戻してみたら、当然チャタリングは皆無(素晴らしい)。ただ、Machine Jamは、スイッチみたいなカチッとしたボタンでベロシティにも対応していないので、フィンガードラムにはちょっと使いづらいのよね(だからMPD218を買ったのだが……)。素直にMachine mk3を買っておけばよかったか。